きままに図書館

年間120冊ほど本を読む”本のむし”です。心に染みた本たちの備忘録&ご紹介をしていきたいと思います。ネタバレありますのでご注意願います…!

『陽気なギャングが地球を回す』/伊坂幸太郎/あらすじ・ネタバレ・感想

陽気なギャングが地球を回す
著者:伊坂幸太郎

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陽気なギャングシリーズは、1作目「陽気なギャングが地球を回す」、2作目「陽気なギャングの日常と襲撃」、3作目「陽気なギャングは三つ数えろ」の順に発売された、累計230万部を売り上げる人気シリーズです。できれば順番に読んで頂きたいですが、簡潔型なので問題なく読むことができると思います。

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった…はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス。

引用:Amazonより

 

登場人物

成瀬(なるせ)  嘘発見器男。

響野(きょうの) 演説名人。

久遠(くおん)  天才スリ。瞬時に何でも掏る
雪子(ゆきこ)  体内時計女。時間をきっちり計る
祥子(しょうこ) 響野の妻。
慎一(しんいち) 雪子と地道の息子
地道(じみち)  雪子の元恋人。借金を抱えている。
神崎(かんざき) 地道を脅す借金貸し。
田中       合鍵作りや盗聴の職人。
タダシ      成瀬の息子。自閉症

あらすじ・ネタバレ

【起】
成瀬・響野、久遠、雪子はある日銀行を襲う。誰も傷つけず5分きっかりで無事4千万円を盗むが、雪子の運転する車にて逃走の途中、巷で噂されている現金輸送車強盗団(以降:輸送強盗)の車が体当たりしてきて車ごと4千万円を奪われてしまう

【承】
久遠は輸送強盗の財布を盗んでおり、その中には”林”の免許証があった。輸送強盗を探すべく成瀬・雪子は林のアパートへ向かう。そこには背中を刺され殺害されている林がいた。同時刻、響野・久遠は慎一に友達の薫君を助けてほしいと依頼をされ、廃パチンコ店に到着。不良グループに暴行を受けていた薫君を救出するが、そこへ、謎の男X氏が拳銃を持って現れ「慎一から離れろ」と告げる。その時ちょうどパトカーのサイレンが聞こえ響野・久遠・謎の男X氏は解散(逃走)する。

【転】
久遠はX氏の携帯を掏っていたが、その携帯電話に成瀬から電話がかかってきた。(正確に言うと、成瀬が林のポケットに入っていた携帯の着信履歴にあった番号にかけた。)つまりX氏と林は繋がっていたということだ。さて、ここで成瀬が話を整理する「①林のアパート、パチンコ店でのできごと共通点は”雪子”であること。②輸送強盗団はあの日4千万円をもった車があの道所を通ることを知っていたこと。嘘発見器の能力を発揮して)③雪子の様子が最近おかしかったこと(慎一をかなり心配している)④謎の男X氏は雪子の元恋人で慎一の父・地道であること」

なぜあの日4千万円を奪われたかその真実は…雪子と地道が関係し、そして全ては神崎の計画であった。
―地道は雪子の元恋人だった。別れて数年たっていたが、ある日ばったり出くわしてしまう。地道は神崎から多額の借金をしていたが、雪子は自尊心から「それくらいのお金は用意できる」と言ってしまう。地道が金貸しの神崎にそれ(雪子が金を用意できること)を告げると、慎一に手を出されたくなかったら金を用意しろ、と地道は脅される雪子は慎一を守るため銀行強盗の計画を神崎にバレることを覚悟して地道に話す。そして、あの日4千万は奪われてしまったのだった。ちなみに林は輸送強盗の運転手で、4千万円を奪った後は用済みになり神崎に殺害されていた。そして廃パチンコ店に現れた地道は慎一を見守るためだった―
【結】
成瀬は、地道を仲間に入れ再度銀行強盗をする計画を立てる。しかしそれは神崎をおびき出す罠で、本当は銀行強盗をする予定はなかった。嘘の銀行強盗日当日、まんまと神崎はやってくる。神崎を外からでないと空かない車に閉じ込め、警察に通報した(トランクに響野・久遠が林の死体を移動させておいたので、神崎は殺人の罪で逮捕される)

―――おわり―――

 

感想


あらすじで書いてしまうと、なんてそっけないのだろう!!!と驚きました。こんな簡単に語れる小説ではありません!!!!伏線がたっぷりあって読み応えがある小説です!

伊坂さんの作品は相変わらず、登場人物が最高です…嘘が見抜けるだけでなく、頭の回転が速くていつでも冷静な成瀬、ぺらぺらいつまでもずっと喋れる、目立ちたがり屋の響、動物大好きスリの天才久遠(作中の「カバと人間を一緒にするなんて!」というセリフはカバのほうが人間より上だと思っている)、クールでかっこいい雪子、勇気のある慎一郎(ほかのギャングシリーズでも活躍)、響野となぜか結婚してしまうユーモアたっぷり祥子などなど。タダシも成瀬の元妻も、田中もみんなみんな大好きです。そして、登場人物たちの掛け合いには思わずクスっと笑ってしまいますので、電車で読むならマスクのご準備を!1作目を読んだら、絶対に2・3作目を読みたくなる中毒性ある作品です…。
あと、響野が好きな方は、似たキャラ(陣内さん)が活躍する「チルドレン」、「サブマリン」も是非読んでみてください!!!!!

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映像化

2006年には映画化されております!見たことはありませんが、キャストを見た感じだと、雰囲気あっているな~と感じました!

成瀬(大沢たかお

響野(佐藤浩市

雪子(鈴木京香

久遠(松田翔太

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