きままに図書館

年間120冊ほど本を読む”本のむし”です。心に染みた本たちの備忘録&ご紹介をしていきたいと思います。ネタバレありますのでご注意願います…!

西澤 保彦『七回死んだ男』感想

西澤 保彦『七回死んだ男』

 

著者西澤さんは高知大学経済学部教務助手や土佐女子高等学校講師などを勤めるかたわら小説を執筆。江戸川乱歩賞小説現代新人賞などに投稿を続けていました。 『七回死んだ男』は第3作目で、第49回日本推理作家協会賞(長編部門)の候補になりました。20年以上前の作品ですが、時代を感じさせない名作です。

 

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あらすじ 「BOOK」データベースより

どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう。渕上零治郎老人―「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは。

 

 

感想

この小説、おもしろい。7回読みたくなります。(実際は3回読みました…笑)

ただ一つ物申すならば表紙のデザインが怖すぎる!(笑)

実際は、少年がお爺ちゃんを死なせない為に活躍する話で、表紙のデザインとは違いポップです!表紙が変わればもっと手に取る人が増えるのではないか…と思ってしまいます…。

7回も同じ日を繰り返すので、単調になるのかな~と思っていましたが、見事に裏切られ緩急のある作品でした。

誰がどんなことを言うか・どんな行動をするか知っているのに、おじいちゃんの死を防げない!この“もどかしさ”がたまりません。シリアスになりそうですがクスっと笑えるシーンも沢山あり、読みやすい一冊です。

また、主人公は実年齢以上に大人っぽくて頭がいいところも面白いです。クールだけれど、子供の部分もあり、クラスにいたらモテそうだな~という少年です…。読み終わり後には、もし私がこの特殊体質なら何に使えるかな~と考えるのも楽しいです。

おすすめの本は?と聞かれたらこの小説を答えるくらい好きな小説ですので、是非!

 

内容

同じ日を9回繰り返す「反復落とし穴」という特殊体質をもつ少年(キュータロー)が

新年の集まりの最中に変死した祖父を救おうと奮闘するミステリーです。

”9回繰り返す日”はランダムなのでいつやってくるか分からないのですが、たまたま祖父が変死した時に「反復落とし穴」が発生します。ラッキー!

 

どんでん返しのお話なのでネタバレはやめておきます…