きままに図書館

年間120冊ほど本を読む”本のむし”です。心に染みた本たちの備忘録&ご紹介をしていきたいと思います。ネタバレありますのでご注意願います…!

『任侠書房』(任侠シリーズ)/今野敏

任侠書房 / 任侠学園 / 任侠病院 / 任侠浴場

著者:今野敏

阿岐本組のナンバー2、日村誠司を主人公とする任侠シリーズです。シリーズは一貫して、経営危機に陥った会社やら学校を再建する物語で、世の為人の為、「素人には手を出さない」がモットーの秋元組が活躍します。

一行POP:血が流れないコミカルなヤクザ物語。明日から学校・会社に行きたくなる!

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---内容(「BOOK」データベースより)---

『任侠書房』

日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、今時珍しく任侠道をわきまえたヤクザ。その阿岐本組長が、兄弟分の組から倒産寸前の出版社経営を引き受けることになった。舞い上がる組長に半ば呆れながら問題の梅之木書房に出向く日村。そこにはひと癖もふた癖もある編集者たちが…。マル暴の刑事も絡んで、トラブルに次ぐトラブル。頭を抱える日村と梅之木書房の運命は?「任侠」シリーズ第一弾(『とせい』を改題)。

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 【シリーズの順番】

第一弾『任侠書房』、第二弾『任侠学園』、第三弾『任侠病院』、第四弾『任侠浴場』の順番で出版されております。若干繋がりがあるので第一弾『任侠書房』から読み進めることをお勧めします!

『隠蔽捜査』がすきなので第一弾を読み始めましたが、おもしろくてシリーズ読破してしまいました…。(優劣付けにくいですが、任侠学園が一番面白いと感じました!)

 

 【登場人物】

下記6名が阿岐本組を構成してますが、どの人物のことも好きになる、人情味あふれたヤクザたちです。それぞれに味があって、強くて優しい!

●阿岐本 雄蔵:組長

 赤ら顔でスキンヘッドをした昔気質のやくざの組長。文化的な事業に目がないところが困りもの。何が起こっても動じない、肝が据わったカッコいい組長です。

●日村 誠二:代貸(ナンバー2)

 貧乏な家庭に生まれ育ったが、阿岐本に出会い、一本筋の通ったヤクザとなった。組長に敬意を払い、部下を愛する漢。

●三橋 健一:組員

 喧嘩がめっぽう強い。若い衆を仕切る

●二宮 稔:組員

 元暴走族。やんちゃな過去を持つが今ではかわいい部下

●市村 徹:組員

 元引きこもりのハッカーで逮捕歴あり。愛想はないが頭が良く実は組思い

●志村 真吉:組員

 番下っ端。女をたらし込んで情報を得ることに長ける。女好きで、なぜか女が寄ってくる天然モテ男。

 

今野敏さんといえば、有名な「隠蔽捜査」シリーズの著者ですが、こんなコミカルな作品も書けるのか!と終始感動してました。

ヤクザの物語なのに、ほぼ血が流れない読みやすい小説です。刺激的なアクションシーンを求めている方向けではありません!

掃除欲と仕事へのやる気が沸いてくる一冊です。

 

【映像化】

2019年には西島秀俊主演で「任侠学園」が映画化されております!組長、日村、生徒はイメージ通りですね~!他はちょっとイメージと違う…志村 真吉は千葉雄大かな~

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