『ボッコちゃん』/星新一/あらすじ・ネタバレ・感想
『ボッコちゃん』
著者:星 新一
小説のご紹介、第一回目…何にしようかと考えましたが、普段小説を読まない方でも手に取りやすいショートショートの王様 星新一さんの『ボッコちゃん』にしてみました!
一行POP:リズミカルなショートショート集!伏線回収にやみつきになり、気づけば一冊読み終えてます
---内容(「BOOK」データベースより)---
スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群!
表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな50編
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ショートショートは、その名の通り一つ一つの話が短く、ラストには奇想天外な、どんでん返しのある小説のことです。10ページに満たないものもありますので、長編を読むのに抵抗がある方にはおすすめです。
中学生の時、国語の先生に教えてもらい、そのころから大好きな作家さんです。短編の間に伏線があり、最後に「ストン」と落としてくれるような、読んでいて気持ちがいい作品です。たまに伏線が上手く回収できず、何度も読み返すこともありますが、分かった時の感動は、たまりません。
今回は、特におすすめな「おーい、でてこーい」を紹介します。
---あらすじ・ネタバレ 「おーい、でてこーい」---
ある街に巨大な穴ぼこが発生します。
それを見つけた青年が「おーい、でてこい」と穴に向かって叫びます。
しかし、穴からは何も出てこない、何も生まれない。
次は試しに石ころを投げ入れてみます。石ころは穴に落ちていき、何事もない様子。
「これはよい穴をみつけた」と人間は原子炉のごみやら産業廃棄物やら動物の死骸など
とにかくなんでもその穴に捨てるようになりました。
相変わらずどんなゴミも取り込み、人間にとっては魔法のような穴として認知されます。
……数年後、ある男が外で仕事をしていると、空から「おーい、でてこーい」という言葉が聞こえました。
続いて石ころが降ってきます。
男は、「空耳か?何かの偶然?」と思いそのまま作業を続けました。
---終わり---
どうでしょうか!
意味を知った時、背筋がぞくりとしませんか!!!!!
お分かりかもしれませんが、解説すると…
この穴は数年後の空と繋がっているのです。
青年が叫んだ「おーい、でてこーい」という声、投げた石ころが空から降ってきたということは
この後、人間が捨てたゴミが空から続々と降ってくることになる、ということです…怖い…
星新一さんはこのような「はっ」とさせられるお話が多いです。
そして伏線回収の魅力にはまってしまう方が多いかと思います。わたしはまんまとはまりました。
【映像化について】
世にも奇妙な物語に出てきそうだな~と思うようなお話が多いのですが、過去に世にも奇妙な物語で映像化されているお話もあります。世にも好きの方は必読です。