有川浩『塩の街』あらすじ・感想
『塩の街』有川浩
第10回電撃ゲーム小説大賞『塩の街wish on my precious』で2004年デビュー。2作目の『空の中』が恩田陸・大森望氏はじめ読書界諸氏より絶賛を浴び、『図書館戦争』シリーズで大ブレイク。他著作に『植物図鑑』『阪急電車』『フリーター、家を買う。』等があります。
あらすじ(「BOOK」データベースより)
塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが―「世界とか、救ってみたくない?」。ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。『空の中』『海の底』と並ぶ3部作の第1作にして、有川浩のデビュー作!
内容
ある物体が東京へ落ちてきて、その日を境に「塩害」と呼ばれる、人の体が塩になり死んでしまう奇病が広まるという話です。塩害により東京の人口は1/3にまで減少し、市民を守る警察もいなくなり、秩序がない世界となってしまいます。そんな中で、女子高生の真奈と元自衛官の秋庭が出合い、2人を軸に物語は進んでいきます。
そこに「世界とか、救ってみたくない?」と自衛官の秋葉を誘う人物が現れ、地球を守る為に活躍する物語です。
感想
『塩の街』は『空の中』『海の底』と並ぶ自衛官シリーズ3部作の第1作です。私は知らずに『空の中』から読み始めましたが、繋がりはなかったので問題ありませんでした!SFと恋愛がミックスされていて男女問わず、楽しく読めるのではないかと思います。とにかく真奈が可愛くて、秋庭はカッコいい!
話の中で「愛する人が塩害になった男性」や「塩害になった囚人」などと出会いますが、これがまた切ない…。もし自分の大切な人が塩害になってしまったら…とありえないですが考えてしまい、ものすごく悲しくなりました。
有川さんの小説は、有名な「図書館戦争」から読み始めました。空想話なのに、身近で発生しそうな錯覚を起こすほどの緻密な設定と、隊員の躍動感が目に見えるように伝わってきます!
あ~、3部作全部映画化してほしい!!